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カマロンのカンテ・ホンド

カマロンは「カンテ・チーコ」を得意とするという説を唱える人がいて、実際にカマロンのアルバムにたとえばシギリージャはそれほど収録されることもなく、とくに中期以降はほとんど取り上げられることもなくライブ録音もリリースされないのだが、ドン・E・ポーレンが「フラメンコの芸術」で書いたとおりシギリージャも得意とするのだ。

2005年にリリースされたアルバム「ベンタ・デ・バルガス」を聴けばはっきりするだろう。これはカマロンの故郷のサン・フェルナンドにあって彼がプロキャリアをスタートさせたバルであるベンタ・デ・バルガスでのライブ録音だ。カジェ・レアルあたりを通る車の音まで入っている。

シギリージャが2つ収録されていてどちらもすばらしいものだ。17歳のときの演奏であり、アントニオ・サンチェスという怖いプロデューサーがいなせいか、のびのびと歌っていて、それが彼の高いテクニックを生き生きとしたものにしている。

他にはフィエスタ系の曲やファンダンゴ系の曲が収録されていて、エクストレマドゥーラのタンゴの弾き語りは後年のジプシーキングスを思わせたりもするのだが、カンテ・ホンドの愛好家も2つのシギリージャを中心にカンテを堪能できるアルバムだろう。


最近、他にもベンタで録音されたカンテが発掘されている。堀越千秋のエッセイの読者におなじみ、アグヘータ一族のホアンのアルバム「ゴルド・アグヘタ無伴奏」だ。これも車の音が聞こえる。

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